今回は「口腔機能発達不全症」について、どんな症状がどのようにお子様の成長に影響するのか、早期発見や治療の重要性についても詳しくご説明いたします。
●口腔機能発達不全症とは?
口腔機能発達不全症とは、子どもの口の中や周りの機能が正常に発達しない状態のことを指します。症状の特徴は以下です。
・噛む力や食べ物を飲み込む力が弱い
・発音が不明瞭で話すのが苦手
・舌や唇の動きが鈍い
・歯並びの乱れや開咬(前歯が噛み合わない状態)
これらの問題は、放置していると将来的にさらに深刻な影響を及ぼす可能性があります。しっかり噛めないことで栄養摂取に影響が出たり、発音の不明瞭さがコミュニケーションに支障をきたす場合があります。
●口腔機能発達不全症の原因
・食事の仕方
長期間哺乳瓶を使う習慣や、固いものをあまり食べない食生活が影響を与えることがあります。
・遺伝的要因や発育の個人差
遺伝や成長過程の違いも影響することがあります。
・姿勢や呼吸の問題
姿勢が悪いと舌や顎に負担がかかり、それが正しい口腔機能の発達を妨げることがあります。また、口呼吸も要因の一つです。
●早期発見の重要性
口腔機能発達不全症は、早期に気づいて対処することで改善の可能性が高まります。特に以下のサインを見逃さないようにしましょう。
1.食べ物をよく噛まずに飲み込む
2.発音が不明瞭
3.よく口があいたままになっている
気になる症状がある場合は、早めに小児歯科で相談しましょう。歯並びや噛み合わせだけでなく、口腔周囲筋(舌や唇の筋肉)の動きを確認することも重要です。
●小児歯科のアプローチ
1.口腔筋機能療法(MFT)
舌や唇の筋肉を鍛えるエクササイズを通じて、正しい口腔機能を回復させます。
2.食生活の見直し
固いものや歯ごたえのある食材を積極的に取り入れることで、噛む力を養います。
3.姿勢や呼吸の改善指導
正しい姿勢や鼻呼吸へ改善させることで、口腔機能の発達を促します。
4.矯正治療の提案
歯並びや噛み合わせに問題がある場合、早期の矯正治療が効果的です。
●まとめ
口腔機能発達不全症は、お子様の健康や成長に深く関わる症状です。当院では、症状の早期発見と適切な治療を通じて、健やかな成長をサポートします。お子様に気になる症状がある場合は、早めに小児歯科へご相談ください。